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100年の歴史。

2011年、九州新幹線開通とともに、JRの各所の駅が新しくなっていきました。JR直方駅もそのひとつです。

JR直方駅は100年の歴史がありました。当時博多駅がまだ、祇園町にあった頃、現在の博多駅の場所に新しくつくり変える。

ということで、その祇園町にあった博多駅を移築してつくったのが、直方駅でした。それが今から約100年前のことです。

100年の歴史がある直方駅は、九州で一番古い駅で、町の人たちの暮らしの一部であり、誇りでした。

だから新しく改装されるとなると多くの反対の声もあり、署名活動もありました。

 

そんな中のこのオープン告知。通常オープン告知と言えば、ワクワク感やにぎやか感のある雰囲気です。

でも町の人たちにとって大切なものが、改装して新しくなりました!

そんな単純なお祭り的なコミュニケーションでは、ない。と感じていました。

今まで大切にしてきたものを受け継ぎながら、新しくなっていく。そんな想いのつまったものをつくりたい。

100年の歴史があるので、昔の写真はないかと探していました。

JRの方にあたってみましたが、なかなかありませんでした。

そうしたら、当時一緒にやっていたデザイナーのO氏の親が直方出身で、しかも親戚がカメラマンで・・・みたいなことで

古い写真が見つかりました。おそらく、60年くらい前のものかな?もっと前かな?

いつ撮られたか分からない奇跡の1枚が見つかったのです。

それが、ビュジュアルに使っている写真です。

コピーは、ありがとう。本当にありがとう。と感謝の気持ちからはじめました。

ずっと、一緒に過ごしていくと、人はいつか生まれ変わる。直方駅もその時がきました。

駅も人と同じように歴史の中で生まれ変わることを言葉にしました。

101年目の決断、また同じように永い時間を走っていく。

最後は、出発、継承。という言葉で締めくくったのは、次の100年に向けての決意です。

ポスターを見て、いつの時の写真?やこのポスターが欲しいなど、いろんな人から反響があったそうです。

​この仕事は私にとって印象深いものとなりました。

creative direction /copy work  川野裕一郎(toyto)

CLIENT:JR九州

 

 

 
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